子どもにやさしい
フィンランド
ネウボラ視察 

妊娠・出産・子育ての家族包括支援制度

 

 開催日 :お問い合わせください

ネウボラとして活動する保健師、家族の家、子育て広場、支援を受ける利用者側の母親へのインタビューといったようにプログラムを組んでくださり、様々な視点から理解を深めることができました。特に、海外視察において,その施設長や職員へのインタビューはしてきましたが,利用者の母親に直接話を聞けるのは大変有意義で,新しい視点も得られました.実際にフィンランドで育児中のお母さん(ネウボラの支援を受ける当事者)からの視点を知ることが出来、課題も知ることが出来ました。また、フィンランドでは男性の育児参加が進んでいると思っていましたが、健診には同行しないこともあるなど当事者からしか聞けない話が合ったように感じます。


アトラスさんには、研修前に「事前質問」を日本語で受けて下さり、しかも、それを翻訳していただき、現地に投げかけていただきました。研修当日は、その質問の回答も交えてプログラムを進めていただいた点が良かった。


オンライン視察研修の参加費のコストパフォーマンスについては、通訳付きで2日間の講座と小人数定員だったこともあり、十分に質問も出来たので内容に見合っていると思いました。


ネウボラという制度や組織に対する国民からの信頼の厚さが日本とは異なると感じました。多くの母親が「1人じゃない」と思えていること。日本では母子保健は役所が担っていますが、組織に対してや保健師という専門職に対する信頼はフィンランドとは違うと感じました。ネウボラの取り組みを日本で取り入れる際には、継続して同じ担当者が支援できるという仕組みを整える必要があると思いました。人事異動が伴う役所の母子保健の体制を改革する必要があり、スペシャリティを育てるという前提で組織があるべきだと感じました。


日本との大きな違いはたくさん感じましたが、特に強く感じたのは以下の点です。
・対話を(当たり前に)大切にする文化。
 これは宗教の影響もあると思いますので、日本で取り組む際には、日本の文化もふまえた工夫をする必要があると思いました。
・政策上の違い。
 教育・育児に十分な支援をするためには、政治に女性の意見が反映される必要があるのですが、その点が日本の大きな課題だと思いました。特に日本でネウボラを含む充実した子育て支援を行うためには十分な予算配分が必要ですが、それがなかなか実現できない現実があります。
・ネウボラという仕組みや組織への信頼の深さ。
 日本の母子保健はハイリスクアプローチが主であるため、保健師は基本的にハイリスクの母子にしか継続して関わりません。そのため、妊産婦の認識としては、保健師が関わりを求めてくる⇒危険な、あるいはダメな母親とみられている、となりがちです。その中で信頼関係を結ぶのはかなり難しく、母子保健での大きな課題となっています。
・支援対象が母親だけでなく、父親を含む家族であると認識されていること。
 日本でも父親を対象にした支援は行われていますが、まだまだ不十分ですし、あくまで父親は「お手伝い」という認識が社会にも強く根付いているように思います。企業を含め、社会全体の理解が必要という点で、難しさを感じています。


フィンランドの街をLIVE配信でご紹介くださったのも良かったです。コロナが明けたら実際にフィンランドに行きたいと思いました。


「ネウボラ」の取組みを参考に、日本に取り入れるのに支障となる点は、公的なサポートをどこまで充実させるかということと併せて,私たちの「普遍的であること」の意識をどう変革していくか,またお互いを尊重し合う文化をどう培っていくかが大切だと考えます.


オンラインによる海外とのコラボによる企画自身は大変すばらしく、印象に残ることも大変多く、非常に感心しましたし、よい時間を過ごさせてもらいました。今後、オーダーメイドでも是非ご相談させていただけたらと思います


フィンランドのネウボラ施設オンライン見学に参加しました。現地の子育て情報やネウボラ施設の保健師さんと直接お話することができたり、町の様子を垣間見ることができ、有意義な時間を過ごすことができました。通訳の方も、フレンドリーでとても日本語がお上手で素晴らしかったです。また機会があれば参加させていただきたいです。


産前・産後の母子支援の手厚さ、保健師の業務範囲の広さが日本とは異なると感じました。国民、国政も含め、国全体の姿勢も大きく異なっていると感じました。
また、ネウボラ施設のみならず、母子支援に関する様々な施設を視察できたこと、保健師教育の現場の視察もできたことは、とても参考になりました。
 


◆日本との違いで強く感じたこと。1.ネウボラでの健診は、基本は個別ですが、日本は集団です。また、担当の保健師は同様に公務員ですが、ネウボラは基本、同じ保健師が6歳未満まで担当しますが、日本は異動が必ずあり担当は変わります。また、専属の医師は日本にはいません。
2.フィンランドでは様々なネウボラがあり、たぶん建物が分散しているように思いました。日本では保健センターがあり、同じ建物に妊産婦から高齢者まで相談できるようになっていることが多い状況です。
3.ネウボラでのサービスが充実しているためだと思いますが、大学病院での出産後の入院期間が少ない。
 


◆子育て支援における保健、医療、福祉施設について関連付けて知ることができたこと。特にネウボラについては、郊外と市街地の両方を見学でき比較ができたことがとても有意義でした。
また母親にインタビューでき、受益者の立場での意見が聞けたことも良かった。
 


◆参加費用については、最初は少し高いと思いましたが、事前の準備のための作業とか、当日のLIVE配信のための作業を見るにつけ、大変な労力と思いました。総合的にみて、参加費用は研修内容に見合っていると感じました。
 

 育児パッケージ

育児パッケージは出産に際し、社会保険庁から無料で支給される母親手当のひとつです。箱の中身はベビーケアアイテムやオシャレなベビー服、親が使用するアイテムなど約50点。このシステムは妊婦健診への動機付けの効果があり、リスクの早期発見・早期予防に貢献しています。


「命の芽生えから全ての子どもを支えるフィンランド」

 

フィンランドは福祉先進国、男女の格差がなく、女性が子どもを産んでも安心して育てていける国としても有名です。
その福祉を支えているのが「NEUVOLAネウボラ」(アドバイスの場所の意味)の存在です。妊娠期から出産、子どもの就学前までの間、母子とさらに家族までをも支援する目的で、地方自治体が設置運営する拠点。また、その出産・子育て支援制度のことをいいます。
通常、妊娠の兆候のあったとき、無料の検診後は、母子の健康診断、保健指導、母親の心理面のサポートなどで、妊娠期間中に10回前後通います。出産後は、子どもが小学校に入るまでの間、定期的に訪れる人が多い。ネウボラでは、一人の保健師が子どもやその家族と対話を重ねながら、継続的に担当することになっており、医療や健康に関することだけでなく、子どもの成長や家庭の問題など悩みを相談できる場所であり、また必要に応じて看護師、ソーシャルワーカー、心理士など専門職のサポートが受けられます。
利用者のデーターは、通常50年間保存され、医療や子育て支援のためだけに利用されます。全ての自治体に設置されており、国民はだれでも無料で利用できます。